リスクマネジメント・カーボンナノチューブ関連情報

NIOSH、ナノマテリアル への職業曝露低減のために推奨される管理手法を公開

2019年8月22日

米国労働安全衛生研究所(NIOSH)は、化学物質への職業曝露を低減し、労働者の健康を保護するための職業曝露バンディング実施のガイダンスとなるテクニカルレポートを公開した。

NIOSHは、職業曝露限界に関するデータの入手が難しい化学物質について、毒性と健康への有害な影響を基に化学物質を所定のバンドに割り当ててリスクマネジメントを行う職業曝露バンディングの実施を推奨している。本手法はシンプルな手順とルールに従うことで、労働者の健康と安全を守ることができるように工夫されている。Chapter 3.14「エアロゾルの特別な区分に関する留意事項」に、ナノファイバーとナノチューブについてもまとめられている。

ナノスケールの固相粒子に推奨される取り扱い

  • 対象となる非可溶性のナノスケール粒子の毒性データに無毒性量(NOAEL)が含まれる場合は職業曝露バンディングのプロセスをそのまま適用可能
  • 対象物質の利用可能なデータがマイクロスケールについてだけの場合は、ナノスケールの物質にマイクロスケールの物質と同じ職業曝露バンド(OEB)を用いてはならず、一つ厳しいバンドを割り当てること
  • ナノスケール粒子の可溶性と毒性の関係性についてのデータが十分とはいえないことから、溶解性の程度に関わらずナノスケールの粒子は全て同じ扱いとすべき

ナノスケールの繊維状・チューブ状物質に推奨される取り扱い

  • ナノファイバー・ナノチューブの毒性は本手法では正確に評価できない可能性がある
  • 職業曝露バンディングを実施する場合はOEBのうちで最も厳しいバンドを割り当てること

NIOSHの勧める職業曝露バンディングは、化学物質の健康への影響を簡易的に評価するコントロールバンディングと呼ばれるリスクアセスメント手法の一種である。NIOSHは本手法の実施を支援するオンラインツールも合わせて提供している。

 

オンラインツール:Occupational Exposure Banding e-Tool

https://wwwn.cdc.gov/NIOSH-OEB/

テクニカルレポート:The NIOSH Occupational Exposure Banding Process for Chemical Risk Management

https://www.cdc.gov/niosh/docs/2019-132/default.html?s_cid=3ni7d2NIOSH-Update-2019-132-July2019