リスクマネジメント関連情報

NIOSH、職業性肺疾患予防プログラムのドラフトアジェンダを公開

2018年3月30日

米国の国立労働安全衛生研究所(NIOSH)は2018年3月15日付の連邦官報で、呼吸器疾患を対象とする「労働衛生研究アジェンダ(NORA)(注1」のドラフトをパブリックコメントのために公開すると告示した。2016年から2026年までの第3期のNORAで呼吸器疾患を扱う初めてのアジェンダとなる。職業性の肺疾患の予防と低減のために緊急に必要とされる研究、情報、行動を明らかにし、労働者の呼吸器系の健康状態を向上させることを目指している。アジェンダには、炭鉱労働者のじん肺症及びシリカ粉塵等のその他の塵に起因する肺疾患の予防と低減が目標の一つとして掲げられている。この「その他の塵」にナノマテリアルが含まれる。NORAはナノマテリアルについて、「長さが1~100 nmで、物理、化学、生物学的挙動に影響を及ぼすユニークな特性を示す。動物その他の毒性試験において肺の炎症と繊維化を含む有害な影響が認められている」としている。じん肺症は未だに効果的な治療方法が確立されておらず、作業場での繊維状の塵へのばく露を制御する一次予防と、早期の病気の発見のための医療モニタリング及び管理の各層におけるその他の方法による介入が重要とされている。コメントの期限は2018年5月14日までとなっている(注2

連邦官報告示(Volume 83, Number 51)

https://www.gpo.gov/fdsys/pkg/FR-2018-03-15/html/2018-05256.htm

National Occupational Research Agenda for Respiratory Health:ドラフト版、英語、419 KB

https://www.regulations.gov/contentStreamer?documentId=CDC-2018-0024-0002&contentType=pdf

 

(注1)National Occupational Research Agenda(NORA):1996年に創設された革新的な研究とその研究成果を活用して作業環境の向上を促すためのプログラムである。NIOSHは、様々な産業分野・健康安全分野の事業者、機関、個人とともにプログラムを進めている。NORAは産業分野別協議会もしくは分野横断型協議会によって運営され、アジェンダは、△特定の疾病や障害のリスクのある労働者の数、△ハザードの深刻度、△新しいデータや管理策が状況を変化させる可能性などを各協議会が検討し、作成される。呼吸器疾患は分野横断型協議会によって運営されている。

Respiratory Health Cross-Sector Council

https://www.cdc.gov/niosh/nora/crosssectors/resp/default.html

 

(注2)2018年3月29日の時点で本告示に寄せられているコメントは4件であるが、コメントの内容が公開されているのは声帯の機能不全に関する1件のみである。