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低摩耗性カーボンナノチューブ摺動材料
磨耗が少なく接触抵抗の小さいスライディング電気接点として有望
複合材料といえば異なる二種類以上の材料を混合したり貼り合わせたりして、機能を改善したものをまず思い浮かべますが、これからご紹介するのは一塊のカーボンナノチューブ(CNT)フォレストを加工して、密度と形状が異なる部分を作り新しい機能を持たせた、全てCNTからなる複合材料です。
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| 図1:部分的にカーボンナノチューブフォレストを高密度化する方法。針の先端(左、中図)や薄い液体の膜(右図)を用いるとブラシ状の低密度・高空隙率部分と、柄にあたる高密度部分を併せ持つ複合材料ができる。(両矢印はカーボンナノチューブの配向方向をあらわす) |
当チームには数100ミクロン以上の長さを持つCNTが配向したCNTフォレストを液体に浸し、毛細管効果を利用して高密度化する技術があります(図1)。低密度のCNTフォレストの空隙率は97%で、弾性回復・乾式接着・電界放出などの機能を持っています。一方、高密度化したCNTフォレストの空隙率は50%で、機械的な強度・耐久性に優れています。今回は液体を接触させる方法を工夫し、針の先端・薄膜状液体・泡・蒸気・インクジェットプリンタ方式などを用いることで局所的に空隙率を変え、さまざまな構造のCNT複合材料を作ることに成功しました(図2)。
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| 図2:様々な方法で部分的に高密度化したCNT複合材料 |
ブラシ状の構造をもつCNT複合材料について金薄膜、高配向熱分解黒鉛(HOPG)、高密度CNTシート上で往復運動をさせ、摩擦特性を測定しました。窒化シリコンボールと比較しますと、CNT複合材料は単位面積当たりのせん断力が小さく、磨耗しにくいことがわかりました。図3に見られるように、金薄膜に対しては、窒化シリコンボールでは明らかな引っかき傷ができて破れてしまいましたが、CNT複合材料を使うと、磨耗量は30%は少なく抑えられています。
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| 図3:CNT複合材料ブラシとSiNボールのSWNTシート、金、HOPGに対する摩擦試験 |
金属に対する磨耗性が小さいという特性を利用し、スライディング式の電気接点としての応用が考えられます。ブラシ状のCNT複合材料は接触面の形状にあわせて変形し、接触抵抗を小さくします。また、磨耗しないので長期間の使用に耐えることができます。
図4のようなクローバー型のモーター用電気接点を試作したところ、モーターは順調に動作しました(回転数:300rpm以上、電流値:0.1A)。
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| 図4:ブラシ状CNT複合材料のスライディング電気接点としての試験。 |
参考:Futaba et al., "Dual Porosity Single-Walled Carbon Nanotube Material", Nano Letters, 9 (9), 3302-3307 (2009)








